*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
 出されたアイスを食べ終えて紅茶を飲みきった頃、修平さんがキッチンから私のところにやってきて、隣に腰を下ろした。

 「夕飯のメニュー相談なんだけど、いい?」

 「うん。」

 「冷蔵庫にあるもので、なんとか出せそうなのは、タコのマリネ、ポテトサラダ、春巻き、唐揚げ、くらいかなぁ」

 その言葉から、修平さんがさっきまでキッチンにいたのは、冷蔵庫の中身を調べる為だということが分かる。

 マリネとポテサラは、昨日までに修平さんが作ってくれた作り置きの残りだし、春巻きと唐揚げは、連休に入る前にハウスキーパーの佐倉さんが下拵えをして、あとは揚げるだけにして冷凍庫に入れて置いてくれたものだ。

 そのメニューを聞いて、私が作ったものが一つもないことに気付いてちょっと焦る。

 決して、彼の友人たちに『料理の出来る彼女』をアピールしたいわけではなのだけど、流石に彼女の手料理が一つもないのでは、修平さんに恥を欠かせてしまうかも、と心配になる。

 そんな私の気持ちとは裏腹に、修平さんは

 「ま、いきなり来るんだしこれだけあればいいでしょ。あいつらも何か適当に用意してくるって言ってたから、杏奈はこのままのんびりしてて。」

 と満足げな笑顔で言う。そんな彼に

 「修平さん、私も一つだけメニューを増やしてもいいかな?」

 おずおずと切り出すと、修平さんが目を丸くした。

 「杏奈が無理することないよ。」

 「無理なんかじゃないよ、私がやりたいだけ。」

 「杏奈…」

 「すぐに作れるメニューだから大丈夫。マカロニグラタンなんだけど、前にヒロ君から教えて貰って、なんとか自分でもその味に近づけたから、今日はそれを作ってみたいの!修平さんにもまだ出してないから食べて欲しいし…」

 心配そうな顔をした修平さんを納得させる為、一生懸命に説明すると、「隆弘さんのグラタン…」と呟いた彼は、そのメニューに釣られたのか、私がキッチンに立つのを了承してくれた。

 ただし、彼が料理の手伝いをする、という過保護な条件が付けられたけれど。



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