*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
会話がひと段落したところで、オーブンが音を鳴らしたので、私はキッチンへ向かった。
「俺が持っていくよ。」
と言って、修平さんが後ろから着いてくる。
マリネやポテサラは、最初からテーブルに並べておいたので、焼き上がったグラタンは修平さんにお任せして、私は揚げ物に取り掛かる。
本当はグラタンを焼いている間に、揚げ始める予定だったのだけど、思いのほか話が弾んでしまって揚げ物のほうが後になってしまった。
解凍しておいた揚げ物を揚げはじめると、キッチンに葵さんがやってきた。
「杏奈ちゃん、遅くなっちゃったけど、これ、うちから持って来たから一緒に出せるかな?」
そう言う彼女は手に保冷バックを持っている。
「買ってきたものばかりで申し訳ないんだけど…」
と言って、中から出したのは、駅前の商業施設の中に入っている、人気のデリカショップのお惣菜だ。
美味しそうなキッシュや、バケットとパテやムース、チーズも入っている。
「うわ~っ!すごく美味しそうです!!」
「ワインとデザートもあるんだけど、冷蔵庫お借りしてもいいかしら?」
「もちろんですっ!!」
『デザート』の一言にテンションが一気に上がる。
「良かった、喜んでもらえて。」
大きな瞳を細めて微笑む葵さんに思わず見惚れた。
最初に出会った時から『素敵な大人の女性』だな、とは思っていた。
知的でキャリアウーマンという雰囲気の彼女と私とでは、話しが合うことなんてないかも、と思っていたから、こうして気さくに話してくれることがとても嬉しい。
さっきみたいに高い声を上げて喜ぶタイプだとも思わなかったから、それも新鮮だ。
「何か手伝えること、あるかしら?なんでも言ってね。」
そう言ってくれたので、
「じゃあ、持って来て頂いたお料理をお皿に盛って頂いてもいいですか?」
「もちろんよ。」
そうして私たち二人は、キッチンで並んで作業することになった。