*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
 それからは、料理を食べつつワインを飲みながらみんなで和気藹々と色々な話題で盛り上がった。

 私の作ったグラタンは好評で、みんなどんどん食べてくれて、器はすっかり空っぽになっている。

 タコマリネとポテトサラダは修平さんが作ったものだと話すと、二人ともものすごくびっくりしていた。
 彼は割と料理上手なことは、友人の彼らにも意外だったみたいだ。

 遥香さん達が持ってきてくれたキッシュも、期待を裏切らない美味しさで、白ワインにもよく合っていて本当においしかった。

 ひとしきり、料理の話しで盛り上がった後、修平さんと健太郎さんの学生時代の話になった。

 二人は高校の同級生で部活も同じ陸上部で、その頃から気が合ってよく一緒にいたらしい。
 大学もたまたま一緒のところに入り(誰もが知っている有名大学だ)、学部は違ったけれど、二人ともアウトドアサークルに入っていたと教えてくれた。

 健太郎さんから聞く修平さんの学生時代の話は、とてもおもしろかった。
 私の知らない彼の話を聞く度に胸がときめくけれど、それと同時に、なんで私なんかと付き合っているのか分からなくなる。

 健太郎さんは、私に気を遣ったのか、修平さんの女性遍歴のことについては話さなかった。
 けれど、学生時代の彼の活躍の話を聞くにつれ、きっと、いや絶対、周りの女性達が放っておかなかっただろうと気が付いた。

 今だってモテているのは変わらないんだろう。

 (ていうか、最初の頃は、私のことなんてこんなに素敵な彼の眼中に入るはずない、って思ってたじゃない…。)

 心の中で自分を戒める。

 (修平さんがどれだけ私に優しくしてくれても、この恋がいつまで続くかなんて誰にもわからないんだよね…。)

 今までおままごとレベルのお付き合いですら、経験してこなかったした私にとって、それがいつまでかなんて見当もつかない。
 ただ、その日がいつか来ることを今から覚悟しておかなきゃ、と自分に言い聞かせる。

 (だって、なんの心構えもなくある日突然修平さんとお別れすることになったら、きっと私の心は砕け散ってしまう……。)
 
 三人の楽しげな会話が意識のうわべを滑っていくのを聞きながら、私はぼんやりとそんなことを考えていた。

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