*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
両脚の横で握りしめていた手を、胸の位置まで持ち上げて、足を一歩踏み出そうとした、その時。
「いえ、待ち合わせをしている人が来ましたので、私はこれで。」
そう言う修平さんの声が聞こえたかと思ったら、塀の向こうの頭がこちらに向きを変えて動き出した。
「た、瀧沢室長っ!」
半分叫びに似たその高い声に、振り向くこともせずに彼はレンガ塀の角を曲がってこちらに体を向けた。
立ち止まったままの私と目が合うと、塀の向こう側で話していた声の主とは別人かと思うほど、柔らかく温かい表情で私に笑いかけた。
胸が苦しいくらいに高鳴る。
それまで私の中にあった黒くて醜いモヤモヤが一瞬で跳ね飛ばされていく。
「杏奈。お待たせ。」
ニッコリと微笑みながら私の方へ歩いてきた修平さんの片手には、アンジュのリード。肩には大き目のトートバッグが掛けられている。
(私の知ってるいつもの修平さんだ。)
なんとなくホッとして、体の強張りがほどけていくのを感じた。
「修平さんもアンジュも、来てくれてありがとう。」
素直にそう口にすると、少し眉を上げて目を大きくした修平さんが、私の頭をポンポンと軽く叩くように撫でる。
「疲れただろ?早くお昼にしよう。」
そう言って私の腰に手を回して、彼は来た方とは反対側へ私をエスコートする。
(そう言えば、さっきの女性はもう居なくなったのかな…)
そう疑問に思ったけれど、立ち聞きしていたことが心苦しくて口には出せないまま、その場を後にした。
「いえ、待ち合わせをしている人が来ましたので、私はこれで。」
そう言う修平さんの声が聞こえたかと思ったら、塀の向こうの頭がこちらに向きを変えて動き出した。
「た、瀧沢室長っ!」
半分叫びに似たその高い声に、振り向くこともせずに彼はレンガ塀の角を曲がってこちらに体を向けた。
立ち止まったままの私と目が合うと、塀の向こう側で話していた声の主とは別人かと思うほど、柔らかく温かい表情で私に笑いかけた。
胸が苦しいくらいに高鳴る。
それまで私の中にあった黒くて醜いモヤモヤが一瞬で跳ね飛ばされていく。
「杏奈。お待たせ。」
ニッコリと微笑みながら私の方へ歩いてきた修平さんの片手には、アンジュのリード。肩には大き目のトートバッグが掛けられている。
(私の知ってるいつもの修平さんだ。)
なんとなくホッとして、体の強張りがほどけていくのを感じた。
「修平さんもアンジュも、来てくれてありがとう。」
素直にそう口にすると、少し眉を上げて目を大きくした修平さんが、私の頭をポンポンと軽く叩くように撫でる。
「疲れただろ?早くお昼にしよう。」
そう言って私の腰に手を回して、彼は来た方とは反対側へ私をエスコートする。
(そう言えば、さっきの女性はもう居なくなったのかな…)
そう疑問に思ったけれど、立ち聞きしていたことが心苦しくて口には出せないまま、その場を後にした。