*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
 「これって…」

 お弁当と修平さんの顔を交互に二往復する。
 すると、彼は私の膝の上のお弁当箱を見つめながら話し出した。

 「ここのところ忙しくてお弁当を持って行ってなかっただろ?」

 「うん。」

 「忙しくて適当なお昼ご飯だったんじゃない?」

 「うっ…」

 ハッキリ言って図星だ。

 図書館の中には食堂や売店はないのだけど、同じ敷地の中にある市役所の中にはどちらもある。そこまで行けば昼食にそこそこまともなランチが食べられるのだけど、この連休中は忙しすぎて余裕が無かった私は、図書館のすぐ隣にあるコンビニで買った菓子パンやおにぎりで昼食を済ませてしまうことがほとんどだった。 

 「市役所まで往復すると、昼休みが短くなっちゃうんだもん…」

 自分でも言い訳だな、と思う台詞しか口から出てこない。

 「そ、それに、夜は修平さんの手料理で栄養取れてるよ。」

 えへへへ、とごまかし笑いを浮かべると、それを見た修平さんが、「は~~っ」とため息をつきながら、トートバッグの中からペットボトルのお茶を取り出して渡してくれた。

 「今日は大変だって言ってたから、お弁当作ったんだ。休憩時間決まってるでしょ?早く食べよう。」

 「ありがとう、修平さん!頂きます!!」

 手を合わせてから、お弁当のふたを開ける。

 「うわ~っ!美味しそう!!」

 自分のお弁当箱なのに、作った人が違うだけで全然いつもとは別のものだ。
 大き目のおにぎり二つ、隠元の肉巻と玉子焼き、ほうれん草の胡麻和えにブロッコリーとトマト。ちくわの中にはチーズとキュウリが詰められた二パターンがある。

 「すごいっ!!」
 
 「ほうれん草の胡麻和えとブロッコリーは作り置きだし、大したものは作れなかったけどね。お弁当を詰めるなんて初めてだから、なかなかうまくいかなかったよ。」

 そう言いながらはにかむ彼の顔が、少年みたい輝いている。

 私は隠元の肉巻を箸で掴んで口に運んだ。

 「美味しいっ!」

 モグモグと咀嚼して飲みこんでから素直な感想が口からこぼれる。

 「良かった。」

 心底ホッとした顔で修平さんがそう呟いた。
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