*続*恩返しは溺甘同居で!?~長期休暇にご用心!
 色白で二重の瞳その女性は、私と同じか少し上くらいに見える。
 ふんわりとしたスカートに、フリルのついたブラウスを着ていてとても女の子っぽい。
 明るめのブラウンの髪は肩下まであって、綺麗に巻かれている。

 (こういう人が『女子力高い』っていうんだろうな。)

 何も言わずに私の前に立っているので、何か用が在るのだろうと声を掛けた。

 「あの、なにか…?」

 私がそう言った途端、彼女の目がキッと吊り上り一気に鋭くなった。

 「あなた、なんなの?」

 「え?」

 いきなり「何なの」と問われても何が何だか分からない。
 戸惑う私に目の前の彼女は畳み掛けるように言葉を続けた。

 「瀧沢室長のなんなの、って言ってるの!!」

 いきなりヒステリックになった声に肩がビクリと上がる。
 いきなりのことで何も言えない。目を見開いてそのヒトを見上げるので精一杯だ。
 ただ、その声には聞き覚えがあった。

 (このヒト、さっき修平さんと話していた女性だ!)

 そのことに気付いて、なにか言わなければと口を開こうとしたと同時に、彼女が更に私に向かって言った。

 「あんたもどうせ玉の輿狙いなんでしょ!」

 「え?」

 「あんたみたいな図書館勤めの地味な女なんて、本気で彼が相手にすると思ってるの!?」

 「私は…」

 否定の言葉が言いたいのに、彼女の勢いに押されて言葉が続かない。
 
 「彼はうちの会社の御曹司なんだから!あんたなんてすぐに飽きられるんだから!」

 それだけ吐き捨てるように言った彼女は、私の前から走り去って行った。

 (会社の御曹司…今そう言ったの?)

 彼女が残したその言葉が頭の中をグルグルと回っている。
 
 「うちの会社」っていうことは、きっと修平さんと同じ『株式会社TAKI建設』なんだろう。
 
 (修平さんがそんな大きな会社の御曹司?)
 
 頭の中を疑問符がいつまでもぐるぐると回っていた。
< 61 / 259 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop