クールな御曹司の甘すぎる独占愛
正直言えば、昨夜の時点では《やった!》と手放しで喜んでいた部分が、奈々にはあった。もしも依子がここへ来なければ、そのまま呑気に構えていたかもしれない。
「気に入ったわ」
依子が自分の膝をポンと叩いて立ち上がる。
「聡明さと正直さ。それは経営者の気質としてとても大切なものよ。奈々さん、あなたにはそれがあるわ」
「もったいないお言葉です」
奈々が恐縮していると、依子はその手を取りギュッと握りしめる。
「これからどうぞよろしくね」
穏やかな笑みを浮かべた依子に、奈々も笑顔で返す。
「こちらこそよろしくお願いします!」
緊張に震えていた胸が、今度は喜びに満ち溢れていく。大きな仕事がひとつ、本決まりになった。