クールな御曹司の甘すぎる独占愛

水瀬からまでそう言われ、奈々はますます恥ずかしくなる。


「ありがとうございます……」


そう言うだけで精一杯だった。

ふたりとも私に対してだけ評価が甘いんじゃないかな……。

奈々がそう考えるのも無理もない。これまでにそんなふうに言われたのは一度もなかったのだから。自己評価が高い低いの話ではなく、奈々なりに冷静に分析したうえでそうなのだ。

あまりに高い評価を今後下げられないよう、せめて気をつけていこうと密かに決意する。


《ところで、和菓子をサービスにつけるのは試してみた》
「はい。水瀬さんに提案していただいた翌日から。今日で二日目になりますが、まだ成果は出ていなくて」
《焦る必要はないよ。その試みは成果が見えるまで少し時間がかかる》


水瀬に言われると安心するから不思議だ。いつもそうだと奈々はふと思い返す。

悪化の一途をたどっている光風堂の経営状況を目の当たりにしても、水瀬は《大丈夫》だと言ってくれた。

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