クールな御曹司の甘すぎる独占愛
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紙に描いたイラストを見ては、奈々は材料の組み合わせに悩む。
これだとちょっと甘いかな。色がもう少し綺麗に出る方法はないかな……。
清人にも相談しながら、いろいろなパーツを試してみることの繰り返し。奈々は仕事の合間を縫っては、新作づくりに熱中していた。
その間には花いかだにも出向き、どの商品をいくつ卸すかなどの打ち合わせを重ねる。配送は、花いかだに食材を納入している業者に寄ってもらう手配ができることになった。
ひとつずつクリアし、いよいよ明日から花いかだへの商品供給が始まる。依子が光風堂を訪れてから、一週間が経過していた。
奈々の新作は試行錯誤を重ね、清人の意見も取り入れながら、ようやく完成にこぎつけた。
新作の商品名は“あじさいかん”。青と紫の花びらに見立てた小さな寒天を丸めた白あんで包み込んだ、これからの季節にぴったりなひと口サイズの一品だ。涼し気な色が目にも鮮やか。
どんな新作にしようかと考えているときに思い出したのは、自宅の庭に咲いていたあじさいだった。土壌が酸性だったのか、咲くのは決まって青。
《ジメジメする梅雨の時期には少しでも気分を明るくしないとね》と母は言いながら、大輪のあじさいを家によく飾ったものだ。