クールな御曹司の甘すぎる独占愛

出張帰りで忙しいと知っていたのに、自分の気持ちの高鳴りを抑えきれずに押しかけた。

でも、こうして水瀬さんに会えて嬉しい……!

今夜はもう会えないと諦めていた奈々は、水瀬の思わぬ登場に心が躍ってどうにも収拾がつかなかった。


「これ、もしかして奈々が作ってくれたの?」
「はい。新作をまず水瀬さんに食べてもらいたくて……」
「一番に俺に食べさせてくれるなんて嬉しいよ、奈々」


眩しすぎるほどの水瀬の笑顔を見て、奈々が胸に抱えている想いが大きく膨れだす。もはやそれは無限とも思えるほどに、あとからあとから溢れてきた。


「水瀬さん、それと……」


奈々はバッグを両手でギュッと握りしめ、水瀬を真っすぐ見つめる。今にも唇からこぼれそうだった想いが、土壇場で口から出てこない。緊張も鼓動の高鳴りも最高潮だった。


「ん? 奈々? どうかした?」


水瀬が小首を傾げて奈々を優しく見つめる。

< 132 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop