クールな御曹司の甘すぎる独占愛

◇◇◇

「コーヒーがいいですか? 日本茶がいいですか?」


水瀬を部屋に案内し、奈々がキッチンから声をかける。


「和菓子のフードペアリングはコーヒーが一番だったよね。それならコーヒーで」


得意気に話したうんちくを持ち出されるとは思わず、奈々は嬉しいやら恥ずかしいやら。「はい」と小さく返事をして、いそいそとコーヒーを入れた。


「冷ましてありますので、すぐに飲めます」


猫舌の水瀬のために、ふたつのカップを使いコーヒーを注いでは戻し、ちょうどいい温度にしたのだ。
皿にのせた新作の“あじさいかん”とコーヒーをテーブルに置き、水瀬の隣に腰を下ろす。


「これ、もしかしてあじさい?」
「わかりますか?」
「やっぱりそうか。薄いブルーがすごく綺麗だ」


味はどうだろうか。水瀬の口には合うだろうか。
不安な面持ちで水瀬が口に入れるのを待つ。

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