クールな御曹司の甘すぎる独占愛

「奈々」


水瀬はそれまでの爽やかな表情に甘さをひそませて、奈々の手をとる。
その切り替えに奈々の胸はトクンと音を立てた。そのままそっと引き寄せられ、水瀬の腕に抱き込まれる。


「奈々、会いたかった」


水瀬の声は、たったの二日離れていただけだとは思えないくらいに切実さを感じさせる。
奈々はその声に胸の奥がきゅっと縮まる想いがした。

恋をすると人は欲張りになる。片想いのうちは、想いが届きますようにと。相思相愛になれば、もっともっと相手の気持ちをほしくなる。それは奈々にも言えることだ。水瀬とさらに親密になりたいと願っている。


「私も会いたかったです」


水瀬が奈々を引き離し、ほんの数秒間、唇に触れる。物足りないと思うほど短いキスだった。
奈々のそんな気持ちに気づいたか。


「時間はいくらでもある。続きはあとでゆっくり」


水瀬は目もとを細め、優しく奈々の髪を撫でた。

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