クールな御曹司の甘すぎる独占愛
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水瀬の運転する車は、ネオンがきらめく街を走っていく。
助手席に乗せられた奈々は、どこへ行くのだろうかと窓の外を流れる景色を眺める。首都高を走り、レインボーブリッジをちょうど渡り終えた。
「どこに連れて行くの?って顔だね」
「あ、はい」
急に話しかけられてパッと横を見ると、水瀬はクスッと笑った。
「なにも心配いらないよ」
「水瀬さんと一緒なので心配はしていないです」
どこへ行こうが、奈々は水瀬がいれば不安に思うことはなにひとつない。それよりも、どこへ連れて行ってくれるのかと期待に胸を躍らせている。
「それは嬉しいね。ところで、店のほうはどう?」
「試食としてお客様にお出しするようになってから、微増ですが売上は伸びています。今日から花いかだにも商品を卸させていただくようになりました」
「そう。よかった。依子さんからの報告が楽しみだ」