クールな御曹司の甘すぎる独占愛

◇◇◇

花いかだの依子から奈々に電話が入ったのは、それから五日後の開店直後のことだった。


《光風堂さんの和菓子、とても評判がいいのよ》


挨拶を交わしたあとの依子の言葉は、奈々を喜ばせるには十分すぎるほど。どんな様子か心配だったが、こちらから感想を聞くのは気が引けて、これまでの約一週間電話するのをこらえていた。


「本当ですか!?」


つい大きな声が出る。厨房にいたため、その声に驚いた清人と道隆が揃って顔を上げた。


《ええ。みなさん“おいしい”って。見た目も綺麗だから、お出しするたびに感嘆のため息が部屋に溢れるのよ》


視覚を楽しませるのも、和菓子の醍醐味のひとつ。味はもちろん、美しく繊細な見た目を心掛けて作った奈々には、なによりの誉め言葉だ。


「ありがとうございます。そんなご報告を聞けて、とても嬉しいです」


奈々の声も弾む。想像以上の反応だった。

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