クールな御曹司の甘すぎる独占愛
《私も、お客様の喜ぶ顔を見られて嬉しいの。奈々さんのおかげよ。それでね、もしかしたら近々そちらに大口の注文が入るかもしれないわ》
依子によると、お遣い物にしたいとのお客がいたと。なんでも国会議員らしく、くれぐれもよろしくと、奈々は依子に繰り返しお願いされた。
花いかだは政財界の人も多く利用していると晶が言っていたが、依子の様子からしてみてもかなりの上客のようだ。
奈々は身の引き締まる思いで、依子に「承知いたしました」と返して電話を切った。
「奈々さん、なんの電話だったんですか?」
「花いかださんからだったんだけど、うちの和菓子の評判がとてもいいそうなんです」
「それはよかった」
口もとを引きしめていることの多い清人の顔が華やぐ。道隆も「やりましたね、奈々さん!」と満面の笑みだ。
「清人さんが力を貸してくださっているおかげです」
「いや、私は当然の仕事をしているまでですから。奈々さんの頑張りですよ」
奈々は、清人の優しい気づかいがうれしかった。