クールな御曹司の甘すぎる独占愛
「奈々が心配するようなことは、彼女とはなにひとつないよ」
晶はチラッとだけ奈々を見てから、すぐに視線を前に戻した。
「……ほんとですか?」
晶がうそをつくとは思えないが、念を押して聞かずにはいられない。ミヤビの晶に対する好意が伝わってきたせいもあるだろう。あれほどの美女にアプローチされて嫌な男性はいないだろうから。
「本当だよ」
赤信号で車が止まり、晶が奈々の手を宥めるように優しく握る。
「不安にさせて悪かった」
ミヤビに対する晶の態度に不満をもってはいない。晶は、毅然とした態度でミヤビを突っ撥ねてくれていたから。奈々に接するときの甘い態度とは正反対だったと言ってもいいくらいに。
奈々が不安を抱いているのは、ふたりがあまりにもお似合いに見えたからだった。
晶の隣に立つべき女性は、彼女のような人なのではないか。自分ではあまりにも釣り合いがとれない。
でも、だからといって晶のそばを離れたくはない。