クールな御曹司の甘すぎる独占愛

「奈々?」


晶の優しい眼差しに心のすべてを見透かされそう。晶にキスをしたミヤビにひどく嫉妬したと悟られたくない。頬へのキス程度で動揺していると知られたら、重い女だと思われてしまう。

とっさに目を逸らすと、晶は「気が変わった」とウインカーを点け、青信号に変わると同時に左に大きくハンドルを切った。


「今夜も奈々を連れて帰る」
「え、でも」
「奈々を不安なままにしておくわけにはいかないよ」


きっぱりと言い切り、晶がアクセルを踏み込む。
奈々がミヤビを気にして落ち込んでいると気づき、すぐに手を打ってくれる晶の心遣いがうれしかった。

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