クールな御曹司の甘すぎる独占愛

ミヤビの言い方は、冗談には聞こえなかった。本気でそうすると宣言していた。


「忠告はしたんだから、あとはあなたの選択次第。あなたの動向次第で、晶が会社に残れるかどうかが決まるの」
「……ひどいです」


あまりにも自己中心的な考え方に、ほかに言葉が見つからない。奈々は唇をきゅっと引き結び、両手を握りしめる。

ミヤビの頬には皮肉めいた笑みが浮かんでいた。


「この店の運命も晶の運命も、あなたが握ってる。答えは簡単でしょ? 言いたいのは、それだけ。タイムリミットは今夜七時。それまでに晶と別れると決めて」
「そんなの無理です!」


晶と別れると決意することも、別れることも。


「無理でも決めるのよ。決意できたら、ここに連絡をちょうだい」


ミヤビはバッグからカードのようなものを取り出し、そこにナンバーを書き記す。それを奈々の手に無理やり握らせ、ミヤビは華やかな香りを残して出て行った。

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