クールな御曹司の甘すぎる独占愛
「……あの人から聞いたの?」
「奈々はそんなことを俺には言わない。それどころか、別れると言ってきたよ」
「な、なんだ。別れたの?」
さも初めて聞いたようにミヤビがとぼける。だがそれが演技だと、電話をしたときの様子からわかりきっている。奈々から晶と別れた報告があっただろうから。だからこれでもう、晶のことを苦しめないようにと。
「奈々とは別れない」
「だって、彼女は別れるって言ったんでしょ?」
「……ミヤビ、よく聞いてくれ」
晶は身体を助手席のほうへ向け、ミヤビを真っすぐ見据えた。
「俺は、ミヤビを友人以上に思っていない。ミヤビがどんな手を使おうが、奈々から心が離れることはないんだ。奈々以外に大切に想える人はいない」
「な、なによ、それ。だって、よく考えてみてよ。私のほうがあの人よりずっと綺麗だし、晶のことはあの人よりよく知ってるの。晶にふさわしいのは私のほうなのよ。ね? よく私を見てみてよ。晶はこれまで一度だって私をちゃんと見てくれたことはないじゃない。だから――」
「ミヤビ」
どんどん興奮して声を荒げていくミヤビの肩に晶が手を置く。