クールな御曹司の甘すぎる独占愛
いつか晶が帰国したら泊まってみたい。懐石料理の評判もさることながら、全室スイートタイプの客室もまた、数に限りがあるため競争率が激しいそうだ。
《それじゃ、今度泊まってみようか》
「ほんとですか!?」
相変わらず晶は奈々の心を読むのが得意だ。まるでテレパシー。遠く離れた距離をものともしない。
《奈々のしたいことは全部叶えたい》
それなら……。
「今すぐ晶さんに会いたい……」
思わず本音がこぼれる。
晶の顔を見て直接話したい。晶に見つめてもらいたい。晶に抱きしめてもらいたい。晶にキスしてほしい。
叶えてほしい願いはどんどん溢れてきた。
困らせたか、晶が黙り込む。
「ごめんなさい、今のは冗談です。無理なのはわかっていますから」