クールな御曹司の甘すぎる独占愛
――奈々さんの彼氏に立候補だって?
水瀬がゆっくりと顔を上げ、柳を見る。その目を若干鋭く細めた。
「彼女ならいるんじゃないか?」
無意識に声のトーンまで落ちたことに自分でも驚く。
和菓子を買うときに世間話はしても、恋愛関係の話題になったことはない。だが、ナチュラルメイクでも際立つ彼女の美しさを男が放っておくはずはないだろう。
透き通るほどの白い肌、静かな湖面のように美しく澄んだ瞳、柔らかそうな唇。どれをとっても目を奪われずにはいられない。
いつもかっちりとしたスーツを着て固いイメージを演出しているが、そうしてもなお内側から溢れる魅力を隠し切れていない。色香と言うのか、白く可憐な花が放つ芳香につい吸い寄せられる。
そんな奈々であれば、恋人の存在はたやすく想像できた。
「やっぱりそうですよね。いますよね。僕じゃ話にならないかー」
水瀬は、「はぁ……」と盛大にため息を漏らす柳を複雑な気持ちで眺めた。