クールな御曹司の甘すぎる独占愛

光風堂で初めて和菓子を食べてから一ヶ月が経とうとしている。水瀬は何度となく店に行くうちに和菓子はもちろん、奈々に惹かれ始めていた。

奈々のひたむきなところや和菓子の話をするときのキラキラした顔。自分から話し過ぎたと感じたときにハッとしたように恥じらいうつむく顔。水瀬にしてみれば、それは心をくすぐる表情ではあるのだが。

とにかくそんな奈々の顔を見たくて和菓子を口実にして通っている。
柳に《立候補しようかな》と言われ、改めて自分の中にある奈々の存在が大きくなっていることに気づかされた。


「じゃ、お先に」


柳とゆっくり話している場合ではない。


「お疲れさまでした」


柳に軽く片手をあげ、水瀬は会社をあとにした。

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