クールな御曹司の甘すぎる独占愛

二十五歳の明美は制服を着たら女子中学生に見えるほど童顔で、かわいらしい顔立ちをしている。
ダークブラウンのタイトスカートに真っ白いシャツという、どちらかといえばシックなスタイルの光風堂の制服は、彼女が着ると子供が背伸びをして母親の洋服を着ているようにも見える。百六十センチの奈々の鼻先くらいの小柄な体型も、その幼さに拍車をかけているように思えた。

そこまで言ってしまうと明美は頼りないスタッフのように思うかもしれないが、実は英語にフランス語、イタリア語まで堪能な帰国子女なので、光風堂にとっては必要な人材でもある。なにしろここは、外資系高級ホテルの一角。半数は外国からのお客が来店する。


「どこの照明?」


奈々が明美のあとを追っていくと、店内中央にあるラウンジチェアの脇に置かれたフロアランプが確かに切れていた。

――ついさっき見て回ったのに。私ってば、なにをチェックしたんだろう。

自分が見落としたことに軽く気落ちする。


「すぐに手配するね」


父が亡くなる以前、奈々は和菓子の製作だけを考えていればよかったが、今は店全体を見なくてはならない経営者。

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