クールな御曹司の甘すぎる独占愛
「あ、いえ、違うんです。こちらは……」
奈々が紹介しようとした先から佐野が歩み寄り、水瀬に名刺を差し出す。
「佐野祐一と申します」
それを受け取った水瀬も胸ポケットから名刺を取り出した。
「水瀬晶です」
「ネクサス・コンサルティングって、あの?」
佐野はメガネのブリッジを人差し指で上げながら目を剥く。
「ご存知でいらっしゃいますか」
「もちろん。……あ、もしかして光風堂のコンサルを?」
「佐野くん、あのね」
奈々は“違うの。お客様なの”と続けようとしたが、水瀬に先を越された。
「そうなんです」
弾かれたように奈々が水瀬を見る。