クールな御曹司の甘すぎる独占愛

えっ……? どうして? コンサルなんて頼んでいないのに。

いつも穏やかで優しい空気をまとう水瀬は、紳士的な応対の中にも、その目にどこか挑戦的な光を宿していた。なんとなく妙な空気がふたりの間に舞い降りる。

奈々はどう対処したらいいのかわからず、まばたきを繰り返して水瀬を見つめた。


「それじゃ、このあとに食事は無理そうだな。今夜は帰るよ。頑張れ、奈々」
「あ、うん……」


不可解な水瀬の言動が奈々の口を重くさせる。

佐野を店の外まで見送り、戸惑いながら戻ると、水瀬はテーブルに置いたノートパソコンを覗いていた。ドキッとして慌ててパソコンを閉じる。あまりにも悪い数字を水瀬に見せたくない。


「それ、光風堂の営業成績?」


ひと目見ただけで、水瀬には光風堂がどういう状況に置かれているのかがわかっただろう。


「……お恥ずかしながら」


あんこの歴史やコーヒーと和菓子のフードペアリングを偉そうに語った過去を消したい気持ちでいっぱいになる。

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