クールな御曹司の甘すぎる独占愛
◇◇◇
パソコンの中に入っている経営データをひととおり見た水瀬は、難しい顔で画面を見つめていた。
「やっぱりかなりひどい状態なんですよね……」
奈々自身もそうだと予想していたが、プロの目が下す判断を聞くのはどうしても怖い。もしもこのまま手立てがないと言われたら、どうしたらいいのか。
向かい合って座る水瀬がゆっくりと顔を上げる。
奈々は緊張から手をギュッと握りしめた。
「いや、持ち直すのは十分可能だよ」
「本当ですか!?」
低空飛行を続けていた奈々の気持ちが微かに上昇する。
「ただ、今のままの減収減益ではそう遠くない未来に光風堂は……」
言葉を濁した水瀬を奈々はじっと見つめた。そのあとに続くであろう単語は想像にたやすい。
「どうしたらいいでしょうか。……潰したくはないんです」