クールな御曹司の甘すぎる独占愛

和菓子専門店ではあるが、それだけではカフェのメニューとしては不十分。コーヒーや紅茶はもちろん、サンドなどの軽食も出している。むしろ、そっちの売上のほうが高いのが奈々にとっては悩みの種。

奈々の言葉に彼の顔がパッと明るくなった。


「そうですか! よかった」
「では、お席にご案内いたします」


明美がすかさずテーブル席へ案内しようとすると、彼は「いえ、違うんです」と制するように右手を前へ出した。


「テイクアウトもできますか?」
「もちろんでございます。ご注文はどちらのサンドになさいますか?」


光風堂で出しているクラブハウスサンドは二種類。カリッと焼いた胡桃パンにレタスやトマトとサラダチキン、チーズを挟んだものと、トマトの代わりに玉子とアボカドを挟んだもの。どちらも具材が多くボリュームがあり、お腹が満たされるメニューである。


「えっとそうだな……。それじゃこっちをお願いします」


彼がメニュー表を指で差す。

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