クールな御曹司の甘すぎる独占愛

「それで、相談に乗ってくれる人っていうのは誰かの紹介?」
「ううん。たまたま光風堂に来たお客様」
「お客? 専門的な知識はあるの?」


真弓は怪訝そうに顔をしかめた。単なる客がそんな相談に乗れるのかと奈々を心配してくれているのだろう。


「ネクサス・コンサルティングって知ってる?」


奈々が会社名を出すと、真弓は目を大きく見開き、それにつられて形のいい眉も額に円を描いた。


「知ってるもなにも! 『富士見銀行』もお世話になってるコンサルタント会社だよ!」


真弓があまりにも興奮するから、ミルクを飲み終えて寝入っていた美弥がピクッと動く。
今は育児休暇中だが、都市銀である富士見銀行は真弓の勤め先だ。


「だけどコンサルタント料、高くない?」
「それがね、無料なの」
「え!? 無料!? うそでしょう?」


真弓が信じられないのも当然だろう。セミナーでさえ受講料をとられるのに、業界トップクラスのコンサルを受けて無料なのだから。

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