クールな御曹司の甘すぎる独占愛
「なにか情報が入ったら教えるから」
「絶対だよ?」
「うん、わかった」
指切りしそうな勢いの真弓に奈々が強くうなずいていると、バッグの中でスマホが着信を知らせて鳴り響いた。
お昼寝タイムに入った美弥を起こしたら大変だと、慌ててバッグを漁って取り出す。モニターを見た奈々は、心臓が止まる思いがした。
一昨日登録したばかりの名前が表示されていたのだ。
「……もしもし」
応答をタップして耳にあてる。
《奈々さん、水瀬です》
「この前はごちそうさまでした」
まさかの水瀬からの電話だった。
《今日、店休日だったんだね》
「あ、そうなんです。毎週木曜日はお休みをいただいています」
水瀬はこれまで店休日にあたったことはなかったみたいだ。