クールな御曹司の甘すぎる独占愛
そう言って門扉に視線を向けると、ちょうど白い車が停車する。奈々でも知っている高級車だ。
「例のコンサルタントさんかな?」
「たぶんそうかな」
少し背伸びをするように首を伸ばして見ていると、運転席から水瀬が降り立った。
ネイビーのスーツはいつものように上質な仕立て。薄いブルーのストライプシャツにブラウンのネクタイがおしゃれで、いかにもできる男風だ。
彼の顔を見ただけで、奈々の胸はドキンと弾む。
「ちょっと奈々、あんなにいい男なんて聞いてないけど?」
奈々を肘で小突き、真弓がぼそっと耳打ちをする。
「え? あ、うん」
曖昧に受け答えをしている奈々に向かって、水瀬は軽く手をあげて微笑んだ。
まるで白馬から降り立った王子様みたい。
奈々はぎこちなく手を振り返しながら、真弓と門扉から出る。