クールな御曹司の甘すぎる独占愛
美しく頭を下げた水瀬を見て、真弓がぶんぶんと勢いよく頭を振る。その振動で抱っこされている美弥までゆらゆらと揺れた。
真弓を驚かせすぎちゃったかな……。
素敵な水瀬を前にして動揺する気持ちはよくわかる。
水瀬は「それはよかった」と胸に手をあて、ホッとしたように奈々を見た。
「それじゃ奈々さん、行こうか」
「は、はい」
水瀬はエスコートするように奈々の肩に軽く触れ、助手席のドアを開ける。
「真弓、また連絡するね。今日はありがとう」
肩越しに真弓にそう言いながら、奈々は車に乗り込んだ。
奈々の言葉に真弓は言葉もなくうなずきながら、手をひらひらと振る。完全に放心状態だ。
助手席の窓から奈々が手を振っているうちに、車はゆっくりと発進した。
新車なのか、車内は真新しい匂いがする。レザー仕様の内装は品があってゴージャスだ。
「スーツ姿じゃない奈々さんは初めてだな。新鮮でいいね」