クールな御曹司の甘すぎる独占愛

不意打ちで言われて、奈々の頬が熱をもつ。
今日の奈々は、ボーダーのカットソーに薄いブルーのフレアスカートでマリン風スタイル。水瀬に私服姿を見られるのは始めてだ。


「友達のところでゆっくりしていたのに悪かったね」
「私のほうこそ、お仕事の途中なのにこうして迎えに来ていただいてすみません」
「俺が奈々さんに会いたかったんだ。気にしないで」


水瀬の思わぬセリフに奈々が言葉を詰まらせる。

……会いたかった? 私に?

動揺せずにはいられない。ドクンと大きな音を立てた鼓動が一気に胸を高鳴らせていく。

ううん、違う違う。私に資料の説明をする目的があっただけだから。きっと、サービス精神で言っただけ。

勘違いしそうになる心を必死に引き留める。

水瀬は海外での生活が長かったから、女性をもてなす精神が強いのだろう。どうしたら相手が喜ぶのかがわかっているからゆえの、“会いたかった”だろう。

そんな結論に達したものの、一度赤くなった頬はなかなか熱が冷めない。気を取り直すために小さく深呼吸をして、奈々は別の話題を探した。

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