クールな御曹司の甘すぎる独占愛

水瀬がさらに畳みかける。
依子は、水瀬に言われるがまま目を閉じた。おそらくその画を思い描いているのだろう。

数分が過ぎた頃。


「いい画が浮かびましたよ、水瀬さん」


目を開いた依子は美しい笑みを浮かべた。


「さすが依子さんですね。その決断力こそ、花いかだの財産です」
「ふふふ。水瀬さんってば、持ち上げるのが本当にお上手なんだから」


その意見には、奈々も賛同する。水瀬に言われると、その意見以外にはほかに考えられないと思わせられるのだ。優しい口調の中に、強い説得力がある。


「別に持ち上げているつもりはありません。双方にとっていい方向に進む話をしただけですから」


水瀬は穏やかに目もとをほころばせながら、「奈々、どう?」と聞いてきた。

いきなり話を振られ、奈々は姿勢を正す。

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