国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
昔から“美しいものには毒がある”と言われている。皆、目を引くものには興味を示し、手にしたがる。自分の身は自分で守らなければならないのだ。この毒はそんな小さな美しいラメダの花の自己防衛。そう思うと、ミリアンは安易に手を伸ばしてしまったことを後悔した。

「すみません。見たことのない珍しい花だったのでつい……」

「痛むか?」

じくじくと痛むミリアンの指先をレイがそっと撫でる。まるで労わるようなその手つきになぜか思わず手を引っ込めたくなってしまう。

「はい。少しだけですけど……」

しばらくすればすぐに良くなると言われても、初めて知った花の毒に不安を覚える。そんなミリアンの顔を見てか、レイが「待ってろ」とひとことだけ言い残し、その場から立ち去った。そして、しばらくするとなにやら葉のついた小枝を持って再び現れた。

「あの……」

レイがなにをしようとしているのかまったくわからず、ミリアンは自分の横に座って一枚一枚枝から葉を取るレイをじっと見つめた。慣れた手つきで手のひらで葉をすりつぶし、深々とした緑色の糊状になったものを指に取る。
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