国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「その葉は消毒と治癒効果がある。匂いだけはきついが、そのぶん良く効く。今の時期のラメダの花には絶対触るなよ? 捕食するために花びらから甘い匂いのする毒の分泌物を出す」

そんな毒のある花がどうしてここに咲いているのか疑問だった。確かに見た目は幻想的で美しく、誰が見ても手を差し伸べてしまいそうになる。

「また誰かが触ったりしたら危ないんじゃ?」

「あの花に毒があることくらい皆知っている。ラメダの花が役に立つのは枯れてからだ。これは良薬になる」

「そうだったんですか……」

ミリアンは無知であることが恥ずかしかった。しかも子どものようだとまで言われて居た堪れなくなる。

「それにしても、お前はここで何をしていた?」

レイにふと尋ねられる。

「窓を覗いたらこの庭園が見えたんです。退屈しのぎに来ました。あの、もしかしてここへ来てはいけませんでしたか?」

自由にしてもいいと言われたものの、この庭園に入っていい許可をもらったわけではない。もし、勝手に入ってしまったとしたらと思うと不安になった。
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