国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「いや、気に入ったのならまた来ればいい。今日の式典も疲れたのではないか?」

「はい。体力的にというより精神的に……あんな大勢の視線を浴びることなんて初めてでしたから、それにレイ様には聞きたいことがたくさんあるんです」

――お前はこの王国になくてはならない存在であり、その身を守護することが私の定め。

レイが言った言葉を頭の中で反芻する。その意味が知りたくてうずうずしてしまう。ミリアンにそう言われてレイは小さくため息をついた。

「私もお前に尋ねたいことがある。その胸元に隠れているロザリオのことだ」

ちらりと向けられた視線を感じてミリアンは咄嗟に身構えた。けれど、このロザリオのことは今まで誰にも話したことがないのに、なぜかレイはこのロザリオを見た途端顔色を変えた。そしていまだに執着している。

(このロザリオのことをなにか知っているの――?)

これについて何か話せば今まで知らなかったことがわかるかもしれない。そう思うとミリアンの中で少しずつ警戒心が緩み始めた。

「これは……私の五歳の誕生日に、誰にも見せてはいけないと言われて母にもらったものなんです」

ついに話してしまった。ミリアンは俯きながら、母に言われた言いつけを破ってしまった罪悪感に睫毛を下げて俯いた。
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