国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
手燭に火を灯し、ミリアンに近づいてきたのはたまたま見回りに来たセルゲイだった。普段誰も来ないようなところにミリアンの姿を見つけて怪訝に思ったのか、唇を結んでじっと見つめている。

「すみません、ちょっと調べものをしていて……」

「調べもの?」

セルゲイはますます不審な顔をして、座っているミリアンを見降ろした。セルゲイにとってミリアンは、罪が帳消しになったとはいえ、まだ要注意人物のようだ。変な誤解をされては困るとミリアンは昨夜の庭園での出来事や、何年経っても花を咲かせない名もない植物のことなどを話した。

「名もなき花……か」

話を聞き終わると、セルゲイはぽつりと独り言のように言葉を漏らした。

「あの花のこと、なにかご存知ですか?」

セルゲイの反応にほんの少し期待しながら尋ねたが、彼はゆっくり首を横に振った。
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