国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「私もあの花については何も知らない。レイ様はどうにかして花を咲かせようと試行錯誤しておられるが……中には数百年に一回だけしか咲かない花もあるくらいだ。もしかしたらあの植物もその類かもしれないと思っている」

(数百年!? じゃあ、生きているうちに花を見ることができないかもしれないってこと?)

けれど、運よくその数百年目の年に生きていればその花を見ることができる。

「あの花が咲けば、レイ様もお喜びになるだろうな。ここには暖がない、じきに凍えるような寒さになる。そろそろここを出ろ。部屋まで送ろう」

「ありがとうございます」

セルゲイは本当に寡黙な男だった。部屋にたどり着くまでになにか話をしたいと思ったが、考えているうちに自分の部屋にたどり着いてしまった。
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