国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「ラウラス様から解熱効果のあるお薬を作っていただいたんです。まだ毒による熱がおありなんでしょう?」

暗がりでよく見えないが確かにレイの頬はほんのり上気していた。呼吸する息も熱っぽく感じる。

「王都の巡回の時間だ。そこをどけ」

昨夜、何者かに刺されて負傷したというのにたった一日で普段通りの生活をするなんて無理だ。ミリアンは険しいレイの視線を受けながらも対峙する。

「どきません。そんな身体で王都に行かせるわけにはいきません」

「なんだと?」

「また誰かに襲われたらどうするんですか? 怪我だってまだ治っていないのに、あきらかに不利です」

目の前の男は自分をこの城に捕えている張本人だ。それに、母の仇かもしれない。そんな人なのになぜかムキになってしまう。

「お前。この私に指図するつもりか?」
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