国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「レイ様、もう薬は全部飲みましたよね?」

「ああ」

近距離で互いの視線が絡み合う。レイの目はまだ熱の余韻を孕んでいる。しかし、これ以上彼に溺れるわけにはいかない。

「でしたらもう私はお役御免ですよね? 下ろしてください」

今まで惚けていた顔を変え、ミリアンは平静を取り戻して言った。

「私は飲ませろと言ったが、なにも口移しでとは言っていない。それに、勝手に膝の上にのってきたのはお前の方だろう?」

「あ……」

そう言われれば……と、レイに言われて己の大胆な行為に気づかされる。すると次の瞬間、燃えるような羞恥の熱がミリアンの顔を真っ赤にさせた。

(恥ずかしい! 飲ませろって言ったから……口移しでと思ってたのは私の勘違いなの?)

ミリアンは耳朶まで真っ赤にして両頬に手をあてがう。

「別に恥ずかしがることはないだろう? それに、飲ませろと言われてグラスを口に近づけてきたら、それこそ色気のない女だと罵倒していただろうな」

「もう……」

クスクス笑っているレイにミリアンは頬を膨らませてムッとする。どうも子ども扱いされているようでならない。十は離れているが、なぜかミリアンはもっと対等でいたいと思うようになっていた。

しばらくするとレイの体調に変化があった。
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