国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
彼に見せたかった。そして喜ぶ顔が見たかった。ミリアンは放心してその場にへたりこみそうになった。
「なるほど、確かに花が咲いていた形跡はあるな」
レイが指先で枯れてしまったカウラの花にそっと触れると、ぽろっと生気を失った花弁が一枚落ちた。
「どうやら、この植物に嫌われてしまったようだな」
レイがほんの少し苦笑いを浮かべるとミリアンは首を振った。
「そんな! そんなことないです……私、レイ様にも見て欲しかった」
煌々とした月明かりが射しこむ温室は温かく感じるのに、ミリアンの心に冷たい風が吹いた。
「おい。そこを動くな」
「え?」
しょんぼりして俯いていると、突然レイが鋭く言った。顔を上げると彼の視線はミリアンの頭を捕らえている。
「じっとしていろ、頭に芋虫が付いている。しかもでかいやつだ」
「ひッ――!?」
教会にいた頃、よく蛾などの虫が部屋に入り込んできて、怖がる子どもたちを宥めて退治していたが、「大丈夫よ」とにこやかに笑う裏でミリアンは発狂しそうになるくらいに実は虫が大の苦手だった。
「なるほど、確かに花が咲いていた形跡はあるな」
レイが指先で枯れてしまったカウラの花にそっと触れると、ぽろっと生気を失った花弁が一枚落ちた。
「どうやら、この植物に嫌われてしまったようだな」
レイがほんの少し苦笑いを浮かべるとミリアンは首を振った。
「そんな! そんなことないです……私、レイ様にも見て欲しかった」
煌々とした月明かりが射しこむ温室は温かく感じるのに、ミリアンの心に冷たい風が吹いた。
「おい。そこを動くな」
「え?」
しょんぼりして俯いていると、突然レイが鋭く言った。顔を上げると彼の視線はミリアンの頭を捕らえている。
「じっとしていろ、頭に芋虫が付いている。しかもでかいやつだ」
「ひッ――!?」
教会にいた頃、よく蛾などの虫が部屋に入り込んできて、怖がる子どもたちを宥めて退治していたが、「大丈夫よ」とにこやかに笑う裏でミリアンは発狂しそうになるくらいに実は虫が大の苦手だった。