国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
ようやく花を目にすることができた彼の喜悦がミリアンにも伝わってくる。そっと花に手を伸ばすレイの指先があろうことか震えている。それはまるで恐れ多い高貴なものに触れるような仕草だった。

「前にレイ様が保護した緑竜の子とこの前会ったんです。その時、子守歌のつもりで歌を唄ったんですけど……やっぱり、この花は歌に反応するんでしょうか?」

ミリアンが尋ねると、レイは思案に暮れた様子で腕を組んだ。

「カウラの花は、ソルマンテ王国の唄人のみ開花させることができると言われていた。カウラの花はソルマンテの国花でもある」

「ソルマンテ王国?」

確かヨークがそんな国の名前を言っていたのを思い出す。

「お前は知って知らぬふりをしているのかわからないが……ミリアン、お前は唄人の末裔だ」

レイがミリアンに向き直る。その表情は嘘でも冗談を言っているような雰囲気ではなかった。
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