国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
冷血と言われながら不意に見せる優しさを信じたかった。母を殺したのは別の男かもしれないと、彼に対する猜疑心を払拭しようと心が揺れていた矢先だった。レイに惹かれつつあったからこそ、ミリアンはその告げられた真実に衝撃を受けた。

「どうして……どうして母を殺したんですか?」

震える声を振り絞り、ミリアンは瞬くと大きな涙の粒が零れ落ちた。もしかしたら、母が自分にロザリオを渡す前だったら、保護されて死なずにすんだのかもしれない。そう思うと悔しさがこみ上げてくる。

「自分の母親を殺した理由など聞いてどうする」

冷淡な口調で言うとレイはその場を立ち上がる。

「あなたを……あなたを許さない」

やはり母を殺した犯人はこの男だった。村を襲撃したのも。そして無情にも村人たちを襲った。自国の領土のために――。

(なんて……なんて卑劣な!)

迂闊にも心が揺れてしまったことを深く後悔すると、ミリアンはレイを睨みながら立って足を踏ん張った。
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