国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
幼い頃から父に“ラタニアの国宝を持つ者を守れ”と言われ続け、いまでもレイの胸に深く刻まれていた。国宝を持つ者を探し出し、ようやく発見できた時には時すでに遅く、ミリアンの母であり、ロザリオを持つ者だったサーナは他国の奇襲の際に殺害されてしまった。

その時の光景がいまだに目に焼き付いて離れない。夢にまで見るほどに……。

そしてその他国というのがほかでもない、隣国であるリムルの軍勢だったのだ。村を襲い統治下に置くのかと思えばそうではなく、まるで興味がなくなったと言わんばかりに放置され、人も住まず荒涼とした土地になり果てた。

サーナと幼き日のミリアンが住んでいた村は、ちょうどラタニアとリムルの中間地点に位置していた。それこそリムルは領土拡散のために村に奇襲をかけたのだろうと思っていたが、実際リムル側にその意図はなかった。では、いったいなんのためにサーナを殺したのか……。
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