国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
リムルがその村を狙った理由。それはおそらく、唄人であるサーナとミリアンを見つけ出し拘束するためだったとしか思えないが、実際拘束どころか彼女は殺されてしまった。あの時、彼女の命を奪ったのは誰だったのか。

「……今更だな」

悪夢を見た後、いつも同じようなことを悶々と考えてしまう。サーナを殺した人物を探したところで、もうミリアンの母はいない。レイはグラスに注がれた水を一気に飲み干し、何度目かになる深いため息をついた。

ソルマンテ王国に住む唄人は希少だとされていた。歌にこめられた特有の力をめぐって昔から争いが絶えず、ついにソルマンテ王国はラタニアの保護を受けながら滅んでしまった。そして、彼女たちが住む村を守るべく奇襲をかけられる前にラタニア軍で包囲しようとしていた矢先、リムルに不意を突かれてしまったのだ。

そして、サーナの死を知った父、ティアゴは失意に暮れ、自分のせいだと自責し続けたのち“ラタニアの国宝を持つ者を守れ”という思いをレイに託して、病にその命を奪われてしまった。
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