国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「レイ様。このパーティで私はどんな立場なのでしょう?」

パーティ出会う人に口が裂けても『虎視眈々とレイ様の命を狙っているんです』などと言えるわけがない。かといって恋人でもなく友人でもない。すると、レイが小さく笑って言った。

「妻、とでも言っておけばいい」

「つっ――妻!?」

思わず声が裏返ってしまいそうになり、ミリアンはドキドキと波打つ胸を抑えた。

「な、なにを言ってるんですか! そんなこと―――」

「私は別にそれで構わないが?」

「私が構います!」

まるでからかわれているようだ。あまりムキになるものじゃない。レイにニヤリとされてミリアンはぷいっと窓の外に視線をやった。

(……レイ様、私を見ている?)

逸らした視界の端で、まだじっと自分を見つめている視線を感じる。ミリアンがたまらず向き直ると、長い足と腕を組んでまっすぐ見据えてくるレイの視線と合った。

それは笑みを浮かべているわけでも怒りをたたえているわけでもなく、ただじっとミリアンを見透かすように見ていた。
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