国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「ミリアン・エマ・フィデールと申します。お見知り置きくださいませ」

すると、ソルドームは驚いた様子で食い入るように見つめた。

「なんと、ラタニアの国宝を……大層なお方が来られたものだ。城の者にも警備を厳重に固めるように言っておかねばな」

ソルドームは長い髭を絞るようにゆっくりと撫でた。

「恐れ入ります」

ソルドームの計らいにレイが軽く会釈する。

ラタニア王国の国宝である竜のロザリオの存在は、どうやらソルドームも知っているようだった。

「そなたたちも長旅で疲れたであろう。今宵は建国記念の前夜祭だ。それまでゆっくり休むといい。リムル王国のエバート王とジェイス王太子もすでに到着しているのだが……」

ソルドームはラタニアとリムルが冷戦状態にある現状を知っている。敵対している者同士が同じ場所にいることを、主催者であるソルドームは懸念していた。
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