国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「どうかお気になさらず。我々はここで剣を振るいに来たのではありません。ガンタール王国の建国記念の祝いに来たのです」

争う意思はないことを示すと、ソルドームもほっとして胸をなでおろした。



ガンタール城内は前夜祭の準備に追われ、日が暮れるとともに忙しなさにも拍車がかかるようだった。ミリアンは旅疲れを癒す間もなく、この城の侍女たちに囲まれて、前夜祭に出席するための身支度をしていた。

「まぁ。美しい髪色」

そう感嘆しつつ、侍女はもの珍しそうにミリアンの金髪を櫛で梳き、高貴な雰囲気がでるように結い上げた。ドレスも新しく新調したもので、淡い若草色はミリアンの美しい肌を際立たせた。そして生地も触っただけで高価な物とわかるような滑らかさで小さな真珠をふんだんにあしらった細かな飾りが煌めいていた。

レイがミリアンのために腕利きの仕立て屋に作らせたドレスで、さりげなく派手すぎない髪飾りも彼の趣味のよさが窺える。あまり慣れない夜会用のドレスに息苦しさを感じ、これからこの状態で何時間我慢すればいいのかと思うと人知れずため息をついた。
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