国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「風の噂でラタニアの国宝を持つ者が現れたと聞いた。それも金の髪と美しい歌声を持つ美貌の娘だと」
おそらく、このガンタール王国の建国記念のパーティでエバートと顔を合わせることがあれば、必ずこのことを尋ねられると予測はしていた。腹をさぐられるようでレイは不快感を眉間に露わにした。
「それが、貴殿になんの関係があると?」
あくまでも牽制の姿勢を崩さない、隙のないレイにエバートが短く嘆息する。
「ミリアン・エマ・フィデールと言ったな。私は……彼女の母であるサーナ・エル・フィデールを心から愛していた。遠い昔の若かりし頃の話だが」
「そんな恋愛話を聞かせにわざわざここへ呼んだのか?」
前夜祭の前にソルドームと少し植物のことで話がしたかったというのに、この男のくだらない色恋話に付き合わされるのなら、ここへ来なければよかったと後悔しているとエバートが徐に口を開いた。
おそらく、このガンタール王国の建国記念のパーティでエバートと顔を合わせることがあれば、必ずこのことを尋ねられると予測はしていた。腹をさぐられるようでレイは不快感を眉間に露わにした。
「それが、貴殿になんの関係があると?」
あくまでも牽制の姿勢を崩さない、隙のないレイにエバートが短く嘆息する。
「ミリアン・エマ・フィデールと言ったな。私は……彼女の母であるサーナ・エル・フィデールを心から愛していた。遠い昔の若かりし頃の話だが」
「そんな恋愛話を聞かせにわざわざここへ呼んだのか?」
前夜祭の前にソルドームと少し植物のことで話がしたかったというのに、この男のくだらない色恋話に付き合わされるのなら、ここへ来なければよかったと後悔しているとエバートが徐に口を開いた。