国王陛下はウブな新妻を甘やかしたい
「かつて、ラタニア王国の保護下にあったソルマンテは知っているな? サーナはソルマンテ国王のひとり娘だったのだ」
「な、んだって……?」
ということは、ミリアンはソルマンテ王国の正統な王家の血を引くものということになる。教会に住む孤児ではなく、今は亡き王国の姫君だったのだ。
「サーナは国王からすでに結婚相手を決められていた。彼女は美しく、多くの王太子を魅了した。レイ、お前の父親ティアゴもその一人だ」
「え……? 父上が?」
レイの目が、大きく見開いた。
ティアゴが唯一無二の国宝を彼女に送った理由、それは決して結ばれることのないミリアンの母であるサーナを愛していたからだった。
「十三年前の奇襲で私はサーナの亡骸と遭遇した。まさか、という思いに目の前が真っ暗になった。なぜ、サーナがここに? なぜ、我々は彼女の住む村を襲っているのだ? と……。そして、ようやく偽の情報を掴まされていたことに気がついたのだ。私はサーナに一人娘がいたことも知っていた。すぐに兵士を駆使して探したが、彼女はどこにも見当たらなかった。あの奇襲できっと……とずっと思っていた。だが、彼女は生きていた!」
エバートは息もつかずに興奮気味に語った。その気迫にレイも怪訝な表情を浮かべる。
「な、んだって……?」
ということは、ミリアンはソルマンテ王国の正統な王家の血を引くものということになる。教会に住む孤児ではなく、今は亡き王国の姫君だったのだ。
「サーナは国王からすでに結婚相手を決められていた。彼女は美しく、多くの王太子を魅了した。レイ、お前の父親ティアゴもその一人だ」
「え……? 父上が?」
レイの目が、大きく見開いた。
ティアゴが唯一無二の国宝を彼女に送った理由、それは決して結ばれることのないミリアンの母であるサーナを愛していたからだった。
「十三年前の奇襲で私はサーナの亡骸と遭遇した。まさか、という思いに目の前が真っ暗になった。なぜ、サーナがここに? なぜ、我々は彼女の住む村を襲っているのだ? と……。そして、ようやく偽の情報を掴まされていたことに気がついたのだ。私はサーナに一人娘がいたことも知っていた。すぐに兵士を駆使して探したが、彼女はどこにも見当たらなかった。あの奇襲できっと……とずっと思っていた。だが、彼女は生きていた!」
エバートは息もつかずに興奮気味に語った。その気迫にレイも怪訝な表情を浮かべる。